知っておこう!【全国学力・学習状況調査で順位が気になる人向け】

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結論

  • 見るべきポイントは、結果だけではない。結果だけを見てしまい、結果だけをもとめてしまうと、結局は保護者自身に降りかかってくる危険性がある。
  • 世界各国の学力テストに対する考え方の良いところを取り入れられるといい。
  • 読んでいただいている読者一人ひとりのみなさんが、学力テストの結果だけにとらわれてしまわないように気をつけてください。
    少なくともそうであってほしいと願っています。
  • 子どもたちがその時期にしかできないことに取り組ませて上げられる環境を大人の私達が崩さないことが大切だと私は考えます。
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学力テストは結果が全てじゃない!

学力低下論争

そもそも学力低下論争というのが1999年に大学生の学力低下や「ゆとり教育」などから言われ始めた。

学力低下が囁かれている中、「PISAショック」がきた。
PISAショックは、簡単に説明すると2003年に日本が読解力の順位を8位から14位に下がったことで、「これはまずい!」ってなったことです。

PISAショックから「ゆとり教育」を変えた方がいいんじゃね?と、なったから「学力向上」へ方針が変わっていったんだね。

学習指導要領が改訂され、学力に関しては知識・技能の習得と活用する力(正式には思考力・判断力・表現力と記されている以下は表記を省きます)の2つを重視することになった。「確かな学力」を身につけようってことになったんだね。

その2009年、2012年と順位は上がったものの、現時点では1番新しい2018年には15位まで順位を落とした。

1回上がったのに残念だね。

また学習指導要領は改定され、学力に関しては知識・技能の習得と活用する力、対話して深い学びを重視することになった。
よくアクティブ・ラーニングっていわれる、あれです。

ざっくり簡単に解説すると、こんな流れです。
「もう少し、2008年を丁寧に説明しろ!」とかご意見はあるかもしれませんが、あくまでざっくりとです。

本当に気になる人は文部科学省のHPから小学校学習指導要領337ページ、中学校学習指導要領331ページ、高等学校学習指導要領608ページ、さらに解説ページ国語編や算数編数学編とそれぞれ200ページほどありますが、ご覧ください。

…また今度にしよう。

CRセンセー
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私もまた、長期の休みが取れた時にするよ…

「読むのを諦めよう!」と思う人が多くいて当然です。

でも、全く知らないのと、ざっくりでも知っているのでは違いますからね(^^)

まぁここは本題ではないので、気が向いた人や気が向いた時に、ざっくりじゃなく調べてみてください!

全国学力テストの結果は公表する?

まず集計は文科省(正式には文部科学省ですが以下は省きます)がして公表します。

集計の結果を市町村や学校別で見ることはできるのですが、以前は学校間の競争やテストの準備教育をあおる可能性があるからという理由で各教育委員会は公表を禁じられてきました。

2014年度の調査から条件付で解禁しました。実際に学校別の成績を公表しているのは、大阪市、武雄市、松江市など少数派ではあるがいる現状です。

世界の学力テストは?

CRセンセー
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学力テストの捉え方はそれぞれ。あなたはどの国がいいと思いますか?

学力テストの活用の仕方は各国違うようです。ざっくり見てみましょう。

アメリカでは、テストの結果による決まりごとがあり、結果次第で教師や学校が相応の金額をつけられるということ。

オーストラリアでは、結果は公表しても支援的な介入を重視しているそうです。

イタリアでは、どれぐらいできるかを確認するために分析などは行い、後は学校の自己評価に役立たせているという。

スゥエーデンでは、学校同士の評価の質を調整・学力の格差にならないような共有に役立て、教師の自主的な活用を重視しているそうです。

日本の全国学力テストこれでいいのか?

では、日本はどなっているのか。

全国学力テストの(正式には全国学力・学習状況調査ですが以下は省きます)結果の公表により、都道府県ごとに比べられる、つまり見てわかるようになってしまった。

結果がわかるようになると各都道府県レベルで競争が激しくなっているという。

特にランキングの下の方だった都道府県からしてみれば
「こりゃ、まずい!」
「何とかしなきゃ!」
と思いますよね。

そりゃ、頑張らないと子どもが集まらなくなるもんね。じゃないと財政も厳しくなるよね!

だからといって、アメリカのようにはなっていないのが現状です。

現状は賢明な判断だと私は思っています。だって、点数を上げないと学校や先生の評価が下がるということは、給料にも影響が出るということです。

給料にまで影響が出るとなると、そのしわ寄せは全ての学校に通う子どもたちにきます。

自分の担任するクラス、担当する教科の結果で給料が決まるなら、ガンガン勉強させますよね。

どんな影響が考えられるか。

  1. 詰め込み教育でもいいからとにかくテストで点数をとらせるような指導になってしまう。
    これからの人生で学んだことをどう活かすかよりも、テストの点数が大事になってしまう。
    ただでさえ、日本は詰め込み教育だとささやかれているのに、さらにすすんでしまいそうですね(^_^;)
  2. 宿題をガンガン出す人も出てくるかもしれません。以前より習い事なども増え、ただでさえ忙しい子どもたちに追い打ちをかけることになるでしょう。
    子どもたちだけでは、ありません
    保護者にも宿題を見てあげるわけですから、降りかかってきますよね。家事・育児・仕事で大変なところにプラス子どもの宿題ということになります。
    保護者の自由な時間や家族との団らんの時間は消えていくのではと感じてなりません。(TдT)
CRセンセー
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かなり困る。学校だけの問題じゃないんだ!

1・2の考えられる影響から、さらに2次被害的な影響も出るでしょう!

  • テストの結果を重視する学校になれば、耐えられなくなってしまう子どもが出るのは簡単に想像できてしまいます。自分のお子さんが不登校になるのはなるべく避けたいですよね。
    読者の人も自分に置き換えて考えてみてください。
    「バズる商品を開発しろ!」
    「売り上げはのびているのか?」
    「新規客はとれたのか?」
    「フォロワーの伸びが悪い!」
    と常に結果を求められる会社で働くことはどうですか?もちろん、結果を目指さないといけないけれどね(^^)
  • 宿題がガンガンでれば、保護者だけで全て見るのは難しくなりそうです。
    難しくなれば、家庭教師を雇うや塾などに通わせることになるでしょう。
    つまり、お金がかかることになります。

2次被害的な状況を考えると精神的にも金銭的にも家庭的にも厳しくなると考えれます。
つまり、おちこぼれといわれる人が大量に出てきてしまうと考えられます!
本当はおちこぼれでも何でもないのにです(TдT)

そんなの教師がなんとかしろよ!

読者の意見が聞こえてきそうですが、難しいかもしれません。
学テストで教師が結果を求められるようになれば、担任するクラス、担当する教科の子どもたちの点数を上げることが大切になるからです。
かなりまずい状況だと私は感じます。

こんな状況が続くと日本の将来はどうなるんでしょうか?

精神を病んだり、自分のからに閉じこもってしまったりして将来、大人になって社会参加するはずだった子どもたちは、社会参加できないかもしれません。
これは、たくさんの良くない問題へと発展していく可能性が想像できます。

しかし、都道府県レベルでの競争は激しくなっていると数々の研究者が発表している!

学力テストで気をつけるポイント

学力テストでは、結果だけを求めることが何より危険だと考えます。子どもたちには伸び伸びと育ってほしいですよね。少なくとも私とトレシェアラーニン.LAbのメンバーはそう感じています。

勉強も子どもたちが伸び伸びと育っていく為の1つの手段です。

運動やスポーツ、音楽や芸術にも取り組んでほしいと考える人は多いのではないでしょうか(^^)

運動などに取り組むことで、結果的に脳を鍛えることができ様々なメリットがあることも以前に記事にしました。(気になる人は関連記事からどうぞ!)

学力テストで、結果だけを求めることは子どもたちの運動や芸術に触れる機会を減らすことにつながってきます。

小学校では、運動会や作品展・音楽会など、中学校では、文化祭や体育祭といった行事ですね。

読者のみなさんの中にも今思えば、学校の行事を楽しんだ人も多いのではないでしょうか。

私の小学校は作品展の時に体育館にたくさんの図工の作品を飾るスタイルの学校で、いろんな学年の人の絵や版画などを見るのが、とても好きでした。

中学校の頃は、文化祭でクラスのみんなと何かを作り上げていく途中で、思春期ならではの恋愛があったことが特に思い出に残っています(^^)

ちょっと早いモラトリアムって感じですかね!ちなみにアメリカの心理学者エリクソンが人間の成長にモラトリアム期が必要だと言っていましたが、私も同じでモラトリアム期は必要派です!

学力テストで結果だけを求めることは、結果として、子どもたちから運動会や音楽会、作品展、文化祭、体育祭が失くなっていくかもしれません。

現に学校現場では、行事の縮小や簡略化が進んでいると専門家も研究論文などで述べていますし、私が見てきた中でも随分と変わってきていました。

飛躍して考えれば、学生生活のビッグイベント修学旅行も失くなっていくかもしれませんよね!

「修学旅行に行ったからといって、点数は変わらない!」
とか言い出す学校も出てくるかもしれません。

もし、そうなったら何だか、可愛そう(TдT)

まとめ

  • 見るべきポイントは、結果だけではない。結果だけを見てしまい、結果だけをもとめてしまうと、結局は保護者自身に降りかかってくる危険性がある。
  • 世界各国の学力テストに対する考え方の良いところを取り入れられるといい。
  • 読んでいただいている読者一人ひとりのみなさんが、学力テストの結果だけにとらわれてしまわないように気をつけてください。少なくともそうであってほしいと願っています。
  • 子どもたちがその時期にしかできないことに取り組ませて上げられる環境を大人の私達が崩さないことが大切だと私は考えます。

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